ダーウィン

チャールズ・ダーウィン生誕200周年だという。これでも生物学に縁のあったわたくし、ダーウィンと聞いては黙ってはいられない(?)。調べてみると、1809年2月12日生まれとある。おおっ、4日前ではないか!
いやしくも生物学を学ぶ学生にとって、ダーウィンはメンデルやクリック、ワトソンと並び、後世まで残る金字塔を打ちたてた存在。生物学史上、20世紀最大の発見とされるDNA構造(二重らせん)を発見したクリックとワトソンも、1953年にその発表論文をNatureに投稿する直前の心境を次のように述べている。
「ひょっとしたら、ダーウィンの著書以来、生物学史上でもっとも画期的といえる発見の一翼をになうことになる」(ワトソン『二重らせん』より)
進化論が与えた社会的影響を考えれば、「ダーウィン以来」にワトソンもそれなりの響きを込めていたのかもしれない。

イングランドの大変裕福な家庭に生まれ、生活の糧を得るための仕事は不要だったダーウィン。16歳で大学に入学、医学→神学→博物学と興味の対象が移っていく。大学卒業を前に、恩師で博物学者のヘンズローを通じて英国海軍の測量船(ビーグル号)乗船の話がきたが、将来もみえない長期間の乗船に父親は大反対(そもそも牧師にしたかったらしい)。そこで叔父や知人のサポートを得て、22歳の時、ビーグル号に乗り込む。当初2年の予定だったが、英国に戻ってきたのは5年後の1836年だった。

その間、ダーウィンは寄港地で観たものや知り得たことを記録し、せっせと恩師に手紙を送り続ける。博物学や昆虫採集に傾倒していたことから、鋭い観察眼による記録の蓄積と手紙の束を想像するのは難しくない。乗船前までは自らを博物学の素人と認識していたダーウィンだが、それがかえって功を奏したのかもしれない。寄港地から本国へ手紙を送っては航海を続け、数ヵ月後に別の寄港地で返信を受け取るなど、航海中も恩師や本国とのコミュニケーションを続けていた。通信手段として今のようにパソコン、インターネットにメールがあればどれほど楽だったことだろう、と現代人の常として思う。しかしそれも良し悪しで、後年の自然選択説にたどり着くような記録をまとめ整理するには、その時その場の静かな思索の時間と蓄積が必要だったに違いない。

ところで、いとも簡単に手紙のやりとりとあるが、世界史の一部ととらえると興味深い。歴史の因果とはいえ、7つの海にユニオンジャックを立てた国力で世界中に植民地を有していた大英帝国だからこそ、各地でのポイント設置と本国との通信が寄港地からでも可能だったのではないか。となると、進化論はまさに、「19世紀のイングランドに生まれたダーウィンと当時の英国(時代の潮流、ライバルの存在も含めて)」にしかなし得なかったこと、とも思えてくる。今まで単純に、<ダーウィン→ビーグル号→ガラパゴス諸島→進化論>という連想だったけれど、ビーグル号に乗っただけでは進化論は生まれない。

       Voyage_of_the_Beagle_convert_20090217002646.jpg


帰国して家庭をもち、ロンドンに住んでいたダーウィンは後年、子育てにいい環境ではないと考え郊外の村に移り住んだ。その写真をみたことがある。郊外の一軒家というより、植物園の中にある邸宅といえる環境で、庭と書斎で自身も好きな研究にいそしんだという。当時の英国の風潮とも無関係ではないにせよ、何とも理想的な生活ではある。

と書きながら、ちょっと一日やそこらで考えるには大きすぎる問題である(ブログでするとは無謀なココロミではあった ^^;)。彼の功績やその後の学問への影響は科学史の専門家やその他の資料に詳しいだろう。ふ~む、老後(実はまだ先…)に調べてみたいと思ってしまった。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新記事
カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

Twitter
FC2ブログランキング
カチッ♪クリックしていただけると  はげみになります ↓

FC2Blog Ranking

天気予報

-天気予報コム- -FC2-
月別アーカイブ
リンク
カテゴリ
RSSリンクの表示
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター