任期について


朝から雪で始まった東京の三連休。

そして飛び込んできた、エジプト・ムバラク大統領辞任のニュース。
最初はチュニジアの政変から飛び火した形で始まったエジプトの抗議デモの報道が続いていた。
インターネットの影響も大きく、大統領の辞任を求める動きは日々拡大していった。

私はエジプトのことをよく知らない。知らないから報道に対しても自然と受け身になる。
今回のニュースの一報もツイッタ―で知った。
そんな私でも、サダト大統領の暗殺後からずっとムバラク氏だったと聞いたときは、心底たまげた。
その疑問はただひとつ―いったい何年、大統領をしていたのだろう?
サダト大統領といえば、私が子どもの頃に聞くニュースによく登場していた名前だったから。
昔のユーゴスラビアのチトー大統領とか、米国だったらカーター大統領とか、いまの歴史に教科書に出てくるような感覚だ。はたして、ムバラク氏の任期は29年になるとか。なるほど。

ここで思ったのが、任期の話。リーダーは同じ職務で、何年務めるのが妥当なのか。
これはなかなか難しい問題だ。組織の状況によるし、チーム士気にもかかわるから、
もちろん本人の引き際だけの問題ではない。だから、一般論は難しいのは承知で考えてみたい。



日本だと大学の先生だと、おそらく長くて20余年。
若くてラボヘッドになれば別だが、40代前半でチームを率いる立場に立つとの前提。
でも、それもこれまでの話で、流れは今、確実に変化している。
つまり、人の流動性が多く、研究者の任期は短くなっている。リーダーとて、研究の第一線続ける限り、よりよい職場を求める気持ちは同じだ。でもこの傾向は、これまで年功序列型社会できた日本の社会では、おそらく一部の世界でのことだろう、とも思う。研究者とか、スポーツ選手とか。逆に、そうした世界ではこれからも人材の流れが加速されていくはずだし、そうあるべきだと思う。

国際協力の世界だと、国際機関とか地域の研究機関の長になると、多いのは8-10年。
国際機関だけでなく、海外というか米国の大学になると、学長の任期はやはり長い。逆に3-4年でやめると、あまりうまくいかなかった印象が残る(協力なヘッドハンティングや健康上の理由でもない限り)。最初の1年で足場を固め(種をまき)、2年目以降は行動を起こし(水をやり)、できれば成果をみせ始める(実をつける)。3年目からは、進化、発展へ向けて花を咲かせる。組織の規模にもよるが、こんな流れとタイムスパンではないかと思う。2-3年目が一番つらく、またやりがいのある時期ではないかと推察する。一方で、確か中田前横浜市長だったか、「最初の一年でリーダーが何もできなければ、任期の4年間でも何もできないだろう」とメディアで話していた。それも一理ある。

ちなみに、ある国際機関のトップはアフリカのひとで、やはり16年とか18年とかいた。本人はなおやる気満々だったが、途中で、いいかげん長すぎるとの声もやはり多かった。今回のエジプトの29年を聞いて思いだしたのだが、長い任期を守ることがアフリカ人の傾向なのかどうかは、まだ今の私にはわからない。

いずれにせよ、リーダーの任期は長いものとなる前提がある。だからだろうか、国際機関や地域の研究機関をまとめるリーダーを決めるプロセスは、とても慎重なだけでなく、たいへんな力の入れようだ。時間もお金もかけ、ありとあらゆる議論を尽くす。費用対効果からみれば?と思うこともまた多いけれど、該当者がいなければ、白紙に戻して一からやり直す。それはそうだろう。この決定で、5年、もしかしたら10年は託すことになるのだから。

日本の首相は、5年で長く続いたといわれる昨今。30年も問題だけれど、1-2年で変わるのも問題だ。この際、最初から任期は最低でも4年とか決めたほうが、託す方も託される方も覚悟が決まるのではないだろうか。



ここで、妥当な任期は何年かという話に戻ります。
組織のリーダーなら最長8年というところでしょうか。
10年はやはり長すぎるし、次を決めるまでに時間がかかることも考慮して8年で区切る。少なくとも意思表明はしてもらう。ちょっと?なリーダーなら6年でもいい。

感覚的にですが、妥当な任期の理想(カッコ内は散見される現実)は、

 伸び盛りの若い人材やポスドクで2~3年(4年以上)
 中堅で4~5年(7年)
 チーム・リーダーで6~7年(8年~10年)
 マネジメント職や組織の長で6~8年(10年)

ちなみに民間企業だったり組織内でも異動だと回転はもっと早いのかもしれないが、上の数字は「組織を移る/出る」ことを前提としたもの。同じメンバーが長すぎると、チーム全体がだれてくる。チームを変えるのもひと、よくするのも悪くするのもひと。こうみると、20年とか30年は論外との印象がぬぐえない。

また、いいリーダーというのは、引き際もいい。本当にすごいリーダーだと、気持ちのいい引き際をみせてくれる。そして、リーダーも、一社員も、一研究者でも、任期は任期である。つまるところ、一定の期間に何を目指し、何を達成したか、そして、それを職を去る時に示すことができるか、ということに尽きる。

さらにいえば、その人生の拡大版が、究極の姿が、葬儀なのだろう。ただお葬式では、自分の声はないけれど。

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プロフィール

Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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