心温まるとき


金曜は職場を早めに出て、花金なのに古巣に寄った。そこで少し油を売ってから元上司の自宅で移動した。その日が最後の元同僚Aと3月に退職した私の送別会を、仲間が開いてくれたのだ。

集まったのは同じチームを中心に、昔の仲間も加わって20人ほど。私はこのチームで3年働いたが、途中で組織の改編もあり、人の出入りがもっとも多い時期でもあった。中には7年ずっと伴走した人もいた。正直、とんでもないこともあった前職場も、今はなぜか楽しかったこと、美しい思い出しか残らない。離れてみるとユーモラスな笑いの対象となってしまう、多国籍チームだった。



地震を境に何かが変わった中、それでも変わらないもの―それは、これまで試行錯誤しながら一緒に過ごした時間であり、積み重ねてきた私たちの歴史であり、友情だった。とくに、職場の同僚というより兄弟姉妹に囲まれた感覚で、「妹たち」A, J, Yとの時間は、この上なく楽しかった。何かと挑戦的で反抗期を迎えていたAも、穏やかで人の好すぎるHも、どこか放っておけない弟みたいな存在。また、Big brothers もいて、みなそれぞれに個性がありユニークな面々だった。シニア層と若い世代の間のポジショニングだった私だが、不思議なことに、一緒に働いていて年の差や国籍の違いを感じたことはほとんどなかった。唯一それを感じたのが、あの3月11日だった。

そんな彼らとの再会は、ひとえに心温まるものだった。同時に、一緒に働きとことん楽しんできたこれまでの歳月を思い、涙なしには過ごせなかった。普段は冷めているようにみえる私だが、二人の元上司のちょっとした言葉に今でも熱くなってしまう時がある。

たとえば前職場での最初のプロジェクトだったインドネシアプロジェクトに話が及んだとき。
そのプロジェクトは3年前に終了したが、ひょんなことで去年、プロジェクトの村を再訪する機会ができた。その時、妹のひとりAが一緒に来ることになった。初めて見るインドネシアの小さな村での生活や森林管理の様子に、彼女はひとしきり興奮していた。一方私にしてみれば、自分の手がけた最初のプロジェクトだったし、それだけに最初は障害も多かったから、少し違った思いで村をみていた(村との再会はうれしかったけれど)。今回ともに送別される彼女が、送別の辞でそのプロジェクトに触れ村再訪の顛末を話し始め、私の考えを理解していたと知ったとき、こみあげてくるものを抑えることができなかった。そして、改めて手塩にかけた子どものようなプロジェクトと妹の将来に思いを馳せた。こうして笑いと涙であふれた金曜の夜だった。



だれしも前に進むには変化が必要だ。それも自分で変化を起こすこと、あるいは変化の海に飛び込むことが求められる。親しかった私たちは、仕事を離れてもどこかゆるくつながっていたが、それでも「いつかは別々の道に進むだろう」と、無意識的にわかっていた。なのに、いざ「その日」が来ると、あたかも突然やってきたように錯覚する。ある日を境に互いに別の世界で生きる現実を前にどこか動揺してしまう。それを決めたのはほかならぬ自分なのに。

変化すること、変化への一歩を踏み出すことは素晴らしいけれど、時として酷に働くものだ。
それでも歩み続け、また次の扉が開いていくことを半ば信じ半ば夢想しながら。



It was heartwarming, sad, and forward-looking moment to share retrospective memories and lessons.
Hopefully our paths will cross again sometime, somewhere but until then,
I wish you all the best.

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プロフィール

Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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