カーラ・ヒルズのメッセージ 「私の履歴書」より


先月の日経新聞「私の履歴書」は、米国の元通商代表カーラ・ヒルズ氏による連載でした。彼女の名前と共に「スーパー301条」が新聞一面に出ていた頃を覚えています。とかくタフ・ネゴシエーターの印象が強かったヒルズ氏は、弁護士出身だったということを知りました。

この連載は読み応えのあるものでしたが、そのうち3月30日の連載(30)は最終回前ということもあり、働く女性としてのメッセージがしんみりと伝わってきました。以下引用します。

==(以下引用)==

振り返ってみると、私はとても幸運だった。弁護士という仕事に就きたいと思い、その願い通りになった。後に政府の公職を引き受けることになり、それらもとても面白く感じることができた。私は自分が女性だから、共に働く男性陣とは違う、あるいは違うと判断されるべきだと思ったことはない。むしろ、「良い女性弁護士」になろうとはせず、「最良の弁護士」であろうとした。

働く女性に対して私がアドバイスできるとしたら、「自分が好きだと思える仕事に就きなさい」ということに尽きる。好きでもない仕事に就いても熱意は出ない。そこから生まれる結果も知れている。次のステップは、「その好きな仕事において、ベストであろうと心がけなさい」ということだ。別の言い方をすれば、5年をメドに仕事に取り組み、それで様子を見てみることと。もし、喜びを見いだせていないのならば、自分に向いていないということだ。若い時分はいくつかのことにトライしてみるのもいいだろう。それらを通じて、「自分に最も合っているもの」を選ぶことができる。そうすれば、それはもう、自分にとって「仕事」ではなくなる。その瞬間、それは「喜び」に変わっているのだから。

夫・ロデリックは本当にできた伴侶だと感謝している。しかし、彼は今もどの戸棚にコーヒーカップがあるのか知らないまま、日常生活を営んでいる。彼の母親は専業主婦であり、何から何まで彼の面倒を見ていた。しかし、私の子供たちの世代は全く違う。息子や娘婿たちは夫よりはるかに家事をこなす。それが世代間の差異なのだろう。私の母も懸命に父に尽くし、彼を支えた。幼心にも私も「妻とはそういうものなのだ」と感じていた。私のような世代の女性にとっては、夫がゴミ袋を家の外のゴミ捨て場に持って行ってくれるだけで、とてもありがたく感じてしまうものなのである。

思えばまだ弁護士、そして主婦として働いていた頃、私は毎朝7時半には家を出ていた。それまでに4人の子供たちに食事を作り、学校に送りだした。子供たちの通う学校が違ってきた時には、夫も彼らを車で学校まで送ってくれた。素晴らしい家政婦さんに恵まれてはいたものの、とにかく1日中、走り回っているような気分だった。それでも、そんな生活を楽しんでいる私がいた。
==(引用ここまで)==(青字は共感した箇所)

女性であることを意識せず仕事をしてきたヒルズ氏でも、家庭では主婦の役割を担ってきたこと(家事を代行してくれる家政婦さんがいたとはいえ、指示や監督はやはり一家の主婦である彼女の仕事になる)、米国でも男女の役割にここまで顕著な世代間の相違があったことは、今の日本にとっても何とも示唆的だと思いました。彼女のように優秀な弁護士でかつ政府の要職につきながらも、家庭や社会で個人に求められるものは普通の市民と同じだったのです。

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Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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