文句を伝える姿勢


今さらながら、英国で印象に残っているシーンを思い出した。

帰りの空港へ向かう前、コベントガーデンの駅の窓口で、オイスターカードの払い戻しをしていた。オイスターカードとはいわゆる地下鉄やバスに乗る際の支払いに使える便利なカードで、東京でいえばパスモやスイカに当たるもの。今回の滞在は正味3日と短かったが、何かとTubeでの移動があったのでオイスターカードを購入した(ちなみにこのオイスターカード、1日券と1週間券があるが、その間の3日券みたいなものがあればいいのだが)。残額は払い戻してくれるということで窓口に行くと、IDを求められパスポートをごそごそ取りだした。晴れて、前金5ポンドを含む計7.5ポンドが返金された。これを、私と同僚の友人と二人続けてしていたら、後ろにちょっとした列ができていた。我々のすぐ後ろ、3人目にいた英国人女性の番になろうとした矢先、横から小柄な女性がすっと入ってきた。窓口で対応する男性職員に軽く話しかけただけに見えたが、並んでいた方はたまらない。すかさず英国人女性は口を開いた。

「並んでいたのに、急に入ってくるなんて失礼じゃないの」
静かで上品な口調だが、明らかに軽い非難のトーンが感じられる。
しかもその間、話しかけられた窓口の向こうの男性は、事に気付かずに割り込みの女性の用に対応し始めている。となるや、続けて曰く、
「これは礼儀の問題だと思う」
割り込んだ側の女性は、これまた明らかに(へんなのにつかまっちゃったな~)といわんばかりのめんどくさそうな表情をしている。どうもその態度が火に油を注いだらしい。
「こうして列に並んで待っているのに、急に割り込み、しかも一言もないのはどういうこと。しかもあなた、地下鉄の職員じゃないの」
よく見れば確かに、地下鉄のスタッフのようだ。
「用事があったので。すみません、マダム」
まだ収まらないらしく、
「ちゃんと目を見て謝ってちょうだい」
(割り込まれた女性は背が高く、割り込んだ方は見るからに小柄なので、見を上げる感じで)「申し訳ありませんでした、マダム」
そうこうしているうちに、窓口の男性は何も気づかず用を終えたらしく窓口を再開した。罪な人はこの人だとも思う。

数分の出来事だったが、この光景をみていて感心したのは、あの女性の不満の表明の仕方だった。文字に起こすと実際よりきつく見えるのではないかと気になるほど、彼女の口調は極めて静かで落ち着いていた。しかししっかりと自分の不満は伝わっていた。何か言わねばならないときはこうありたい、と思った。

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Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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