足跡


森林セーフガードの講習を受けた。まる1日の座学だったが、これまでのどのREDD+に関する話よりもわかりやすく面白かった。それはひとつには社会セーフガードと環境セーフガードを分けて話したためであること、そしてそれぞれの話者が研究者だったからだと思う。専門家が聴衆によって、ややもすれば複雑になりがちなREDD+の話を、かみ砕き方を変えて話して下さる姿勢がよく伝わってきた。話の内容を難しくもやさしくも、角度を変えてもいかようにでも話すことができるのが真の専門家だと思う。特に、森林総研の岡部さんの話はとてもわかりやすく、適度に語彙も豊富に使い分けられていて、聞いていて気持ちのいいものだった。例えば生物多様性の話は、国際政治の文脈にかかると焦点がぼやけるきらいがあるものの、岡部さんはやはり昆虫生態学者でらっしゃるため実のある話になっていた。トレードオフを「あちらを立てればこちらが立たず」と表現するあたり、なるほどと感心して聞きいっていた。

それだけでもこの講習にでた甲斐があったものだが、もう一点嬉しかったことは期せずしてSさんと再会できたことだった。Sさんはご家族の都合で海外在住だったはずが、たまたま10日ほどの帰国中だったとか。その昔、国際協力の世界に入ろうかどうか、入口でウロウロしていた頃のこと。ある1冊の本を読んだ。その本は神戸のジュンク堂でふと手にとって思わず買ったものだった。その本の一章を執筆されていたSさん。ほかにも執筆者はいたはずなのだが、おそらく彼女の書き方が肌に合ったのだろう、Sさんの文章がもっともしっくりきたことを覚えている。以来、Sさんは私の前を、それもずっと先を歩く憧れの存在でもあった。数年前のこと、たまたま共通の知人を囲んでの飲み会で偶然お会いしたことがきっかけでお話するようになった。その頃、Sさんは貧困削減の分野でご活躍されていた。私はアジアの森林・環境保全(かけだし)と分野こそ違え、住民参加型や今回のREDD+、土地の所有権などで関連性や話題の重なる部分も多く、また年齢的にも近いこともあってか、徐々に近い距離感で話せるようになった。

そして今日こうしてまた再会を喜び合えるとは。
それだけでも、ここまで亀の歩みではあったけれど、自分の歩んできた点が線となって、ふと立ち止まって気づくと足跡がみえるようで何とも嬉しい。

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プロフィール

Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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