とある話


先月下旬のことだったがオンラインで相談を受けたことがあった。相談の主は中国人女性、まだ20代だと思う。私は彼女のことを知らない。どこかから探してコンタクトしてきたのだが、相談の趣旨は進路の相談だった。スカイプで話せるので連絡先を教えてほしい、との勢い。その頃あまり時間はとれなかったのでメールでのやりとりとなる。

詳細は割愛するが、米国の大学院(修士プログラム)と日本の某大学院(修士プログラム)の両方に合格したが、どちらを選択するか非常に迷っておりアドバイスを求めるもの。米国の大学を卒業して今は中国の非営利機関で仕事をしており、「将来はエネルギーと環境セクターでキャリアを積みたい。両方のプログラムの教育の質を比べてどう思うか。将来日本で働きたい場合はどちらのプログラムがいいか」といった内容だった。また、個人的にも日本で働く経験と生活することに強い憧れがある様子が伺えた。実は、こういう時代でも日本と米国の大学院で迷う中国人がいることに、多少の驚きも感じた。

直感的に米国のプログラムがいいのではと思ったが、一方で、彼女が将来何を目指す次第かとも思えた。民間に行くのか、公的機関で働くのか、博士課程に進学するのか、中国に戻るのか、日本で働くのか、米国で働くのか――むしろ彼女のバックグラウンドで英語と中国語ができるとなれば、可能性は無限大にも思われた。私に連絡してきたのは、おそらく米国の同じ大学院の卒業生だからだろうが、在籍していたのはかれこれ10年以上前になる。ひと時代違うと、学部長もプログラムも大きく進化してきている。5年前に再訪したときにも学校の外観だけでも変化を感じた。キャンパス内の建物が移築・増築されていたり駐車場ができていたこと、中国人留学生が増え日本人留学生が減ったことを見聞きした。何よりその比較対象となる日本の大学院のプログラムについて、私は全く知識を持ち合わせていなかった。

そういったことを正直に交えて返事をした。彼女からは程よい感覚で時折、返事というか中間報告が届いていた。私はこれまで何人かの中国人と働いたことがあったが、いずれも30代~40代の人だった。彼女とのやり取りを通して、中国の若い世代に対して好印象を抱いたし、上の世代との変化を感じた。

不思議なもので、偶然、彼女の選択肢にある日本の大学院を卒業した人に職場で遭遇した。事情を話し可能な範囲での協力をお願いし快諾していただいた。その後、2週間ほどたち、最終的に米国の大学院に進むことにしたとの連絡。お礼と決めた理由、考える過程などについて述べた簡潔にして丁寧なメールが届いた。どのメールでも、彼女がいかに日本で働きたいか、日本で生活することへの強い興味が文面から読み取れた。そして最後がこう締めくくられていた。

Peace for Japan and China

彼女の前途に幸あれ。

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プロフィール

Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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