カルカッソンヌまで足を延ばしてしまう
大都市と言われる Toulose の次に目指すは Montpellier だったのですだが、やはり距離が長いので途中の Carcassonne で降車しました。ナントでは城に興味なし、などと言っておきながら。「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」ちなでいわれるカルカッソンヌの城塞だけは外すことができなかったのです。Toulose で夕食時に話したフランス人女性に勧められたことも後押しとなりました。 曰く、「Carcassonne はいいわよ、必見に値する。でも半日で済むけどね」


お昼前に駅に着きました。今回の旅ではレンタカーを借りた場所以外はすべて、SNCFの駅から荷物をもって歩けるところに宿をとっています。今回もそうでした。城まで遠いというので駅から5分ほどのホテルにしたところ、家族経営のホテルになりました。部屋は3、4しかないですが、どの部屋も広いです。部屋の中にソファはあるし、床も寝転がれるくらい広く、シャワー・洗面所は別の部屋になっているという贅沢なスペース。フランスで滞在した中で最もゆったりとしたスペースでリーズナブルでした。部屋の片隅にはお茶セットも。これも初めてでした。他のホテルは100ユーロ以下を探したこともあってか、部屋の中にポット備え付けのあったホテルはゼロ。カフェは外のマシンで買うみたいな感じでした。

この部屋はアフリカがテーマの部屋。聞けば、オーナー夫婦はアフリカで援助の仕事をしていたそうです。実の子供二人に加えて、スリランカとセネガルから一人ずつ養子を迎えており、そのためにアフリカとスリランカをテーマにした部屋をホテル内にも作っています。このホテルを始めたのは7年前と言っていました。


城壁までのルートなどをオーナー夫妻に親切に教えていただき、地図を片手に歩き始めます。城塞(シテと呼ばれる)に着くまで街から20分ほど歩くので、途中下町を散歩しつつ簡単なランチを済ませました。この散歩も本当に楽しかったがフランス語ができればもっと楽しかっただろうと思われます。そうこうするうちに遠くにシテが見えてきました。


なんだかんだ言ってシテまで歩きます。それも街中というか住宅街を。どうもシテまで歩く人が少ないのか、人影がまばらでここで何かあっても言葉は通じないし人の視線もないし、と気を引き締めます。


昼間なのに大した静けさです。坂をてくてく行くと、眼下に街が広がり始めました。


ようやく、シテの入り口です!


砦というものも、一度みてみないとその包囲網のための建築様式がピンときませんでした。このカルカッソンヌの城壁は、古代ローマ時代と、その後12世紀の十字軍遠征時の建築様式とが混ざっているそうです。


ナルボンヌ門を入って右も左もこんな感じ。


さらに進むとようやくシテの中に入れるゲートが出てきました。欧州唯一の二重の城壁がある城塞都市で、その城塞の総延長は3kmにおよぶそうです。フランス人ガイドによる英語の解説に必死に耳を傾けながら歩きました。

シテの夜景はイルミネーションが美しく格別だそうですが、夜7時でもまだ明るいカルカッソンヌ。とても8時に一人でシテまで歩いて戻ってくる勇気がなく、昼間のシテを堪能して街に戻りました。シテの前を流れるオード川です。


Carcassonne のシテのすごさを表現しきれるものでもなく(またその文才もなく)、帰りに城壁の水彩画を一枚買い求めました。帰国後リビングに飾って見たところ、とても落ち着くいい絵でいい気持になります。