夕食前のできごと


ラオス最終日のこと。その日は朝からミーティングだった。ときどき本質的かつ根源的な問いかけともとれる発言が飛び出し、活発な議論が進む。会議は無事終了。この地域発のメッセージとして、将来的に何が打ち出せるのだろうか。とくに今回はいろいろと勉強になったことが多い。帰ったら、ぜひともいい方向への展開につなげたい。

その後、夕食前のひととき、街を散策。メコン河がゆったりと流れている。メコンへ合流するナム・カン川は「赤ちゃんがハイハイするようなスピード」という意味があると教わる。何とも静かでのどかな景色がラオスらしい。
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今回の会議の参加者でもある中国のDさん 。まだ20代の女性である。参加者のなかの女性二人ということで、マーケットに買い物に行こうと誘われる。今まで何回か来ているし、あまり買い物をする気でもなかったのだが、街を歩くくらいならいいかとついていく (← この主体性のなさ ^^;)。

あるお店の前で足が止まる。民族色の香り漂うティッシュボックスケースが目を引いた。ラオスは多民族国家でもある。このマーケットには、近隣の農村だけでなく遠い地域からもやってくる民族が出店していると聞く。思わずそのうちの2種類に興味を示し、手にとってみると、「断然こっちよね」と頼みもしないのにDさんが決めてくれる。それどころか、すでに交渉を始めているではないか

「4ドルです」売り手の中年女性が口火を切る。
「ダメダメ、それじゃ話にならないわ。その値段のはずないでしょ」
あたかも地元の相場を知ったかのような口ぶり。ちなみにこのD嬢、ラオスは初めて。
「じゃあいくらなら出す?」(←買う側が渋るとまず売る側から出てくるセリフ)
「そうね、これだとせいぜい1ドルまででしょ」
(「いきなり1ドルから?!」とその下げ幅に思わず驚きを示す私 。それを手で制する無言のD嬢。真剣な目)
「では2ドルでどう?」
「いったでしょ、1ドルよ。最大で1ドル」
「しようがない。1.5ドルならまだいいけれど」
「1ドルよ、はい」
と言うが早いか、相手の手にお札をつかませる。しかもドルで交渉していたはずなのに、D嬢ときたら勝手に換算してラオス通貨のKipを渡しているではないか(*)。相手も笑いながら了承する。

驚くべきことにD女史(に格上げ)は、最初から一歩も譲っていない。思いっきり日本人の私など、4ドルを提示されたら、頑張ったとしても2ドルから始めただろう。下手すると3ドルでも払ってしまいそうだ。それどころか、あのD女史の、ちょっとやそっとでは動じない姿勢と気迫に、思わず華僑の血を感じてしまう。そもそも、「高価な買い物でもあるまいし、たかが街中の散策ついでの買い物だから、適当に楽しめばいいのでは?」と言ってはみたものの、「これがフツウ」と言い切る相手に通じる気配はない。また言うことがいい。
「これは私からあなたへのプレゼントよ。受け取ってね」
プレゼントを値切っていたとは、ね・・・。

でもDさん、いろいろどうもありがとう。ご一緒できて楽しかったです。

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*
宿泊していたホテルの玄関脇に、一枚のお札(拡大コピーではないだろうか?)が貼ってあった。
みると「あなたはKipを愛していますか?」というメッセージが印刷されている。Kipとはラオスの
貨幣単位で、2009年5月現在で1ドル=8500Kipほど。この1年、レートはあまり変動していない。このメッセージの意図として、「ドルでなくもっとKipを使ってくださいよ~」だそうだ。このメッセージをD嬢は知っていたのか。そのはずはなかろう(キッパリ)。


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プロフィール

Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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