謝罪すること


小池都知事になってから、東京都の関連のニュースがフィリピンにまで届いてくる。これまでの知事は何をしてきたのだろうという問題はここではおいておく。今日は、謝る行為について。

以前、東京オリンピックの会場変更をめぐって、日本側が国際オリンピック委員会(IOC)に謝罪する一幕があった。謝罪していた日本側に対して、「謝る必要はない」とのIOCのコメントが対照的で印象的だった。

調べてみると、以下の記事が出てきた。
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国際オリンピック委員会(IOC)は2015年7月29日、クアラルンプールで理事会最終日の審議を行い、2020年東京五輪大会組織委員会の森喜朗会長らが、メーンスタジアムとなる新国立競技場の計画が白紙撤回となったことを説明し、了承された。森会長は「率直におわび申し上げたい」と謝罪した。
森会長によると、開催経費削減を柱とする改革を進めるIOCのバッハ会長は「おわびすることは全くない」と返答し、「変更は当然あるべきこと。いい方向にもっていってもらいたい。そのための協力はする」と答えたという。(
7月30日東京新聞、より)
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このニュースを聞いて、なぜこの段階でIOCに謝るのだろうと違和感を抱いた視聴者もいたのではないだろうか。主な税負担者での都民に至っては「その負担をまた都の財政に依存しようとしていたわけね」と呆れるやら憤懣やるかたない思いだったとしてもおいかしくない。ぎりぎりまでオリンピックの工事が完成しなかったリオなど、それでも直前まで工事を続け、遅延に対して謝罪する気配のかけらも見せなかった。それでもオリンピック開催後は大きな支障はでなかったではないか。

概して日本人は謝り過ぎだと思う。謝る姿勢をよしとする文化背景があるのかもしれない。もっと言えば、謝れば済むと思っていないだろうか。謝る意味合いが国によって全然違う国々と仕事を進める場合、謝罪が本当に必要なのだろうか。いまの国際社会で、やたら国として謝罪する姿勢はリスクを伴うし、国益に反するとさえ思えてくる。「日本人はすぐ謝るからね、だますのもちょろいぜ」と思われていたとしても不思議ではない。

前からうすうす感じてはいたがそれが確信に変わりつつあるのはフィリピンに住み始めてからのこと。

フィリピン人は(というか私の周囲のフィリピン人は)とにかく謝らない。仕事で明らかにミスをしても、やるべき仕事をしないで問題が起きても、原因の超本人は謝りどころか何もなかったかように涼しい顔をしている。日常の簡単な場面でも同じ。たとえば、コンドミニアムやオフィスビルのエレベーター。しまりかけたドアをボタンを押して慌ててあける(いかにも滑り込みセーフという感じで)→ドアが開く→押した当人が気がかわったのか間違えたのか乗らない→明後日の方向をむいたりそ知らぬふりをする。レジで店員かおつりを渡す→一見しておつりの額が違う→おつりを受け取った客が指摘する→okay、no problem と間違えた側が言っている。no problem じゃないよ、と思う客は私だけではあるまい。

まるで「謝る」という言葉が存在しない、その場面をみたことがない。彼らの辞書にないかのように。これをずっと不思議に思っていた。一つの説明が、「フィリピン人はプライドが高く謝らない」というもの。しかしこれが説明になるだろうか?プライドが高いのは、他の国や民族でも同じだ。ベトナムだって中国だってインドだって、もちろん日本にもそういう人はいる。謝らない人も等しくいる。それでも違うのは、非を認めて謝る人も一定の割合で存在するということだ。これがフィリピンにはない。少なくとも見たことがない。

先日も、念を押して7月末から頼んでいたある仕事が9月上旬になって全く進んでいないことが発覚した。割と簡単な仕事なのだが、毎週進捗を確認しても大丈夫だと話し、しかし締切の当日、本人がほかの人に投げて情報共有がされないまま休みに入っていた。事態が収拾した後も悪ビレもなくしている。状況を知った彼女の上司A(フィリピン人でない)が謝罪に来た。「この仕事は彼女がするから我々に任せて」とAに言われ心配ながら静観(といっても週一は状況をチェック))していた私としては、呆れてものがいえない。

また在比の長いある人によれば、謝らない理由を「親に叱られたことがないのに、他人に叱られるなんて耐えられない」からだという。本当だろうか。この世に叱らない親がいるのだろうか。これが本当なら、罪作りな親である。にわかには信じがたいところだが。「これまでいろいろな国で働いてきたけれど、フィリピン人は一緒に働くにはもっとも難しい部類に入ると思う」とある人が言うと、賛同者が次々に出てくる。う~む、アウェイの私としてはもう少し観察してみることにしよう。

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Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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