忘れ得ぬ人々(1)

マニラに来る前にひたすら自宅の本をむさぼり頁をめくっていた。すると学生時代に愛読していた神谷美恵子さんの本で、ふと次のくだりが目に留まった。
「人生は思いがけない出会いやことのはずみに満ちみちている。そういうものは次第に人の歩みをある方向へ導いて、打ち込むことがみつかる人もある。
 けっきょく、私たちにできることは、何か呼び声がきこえたときに、それにすぐ応じることができるように、耳をすましながら、自分を用意して行くことだけだろう。」
 (神谷美恵子『人間をみつめて』より

好むと好まざるとひたすら遍歴を歩いていた、というより歩くしかなかった私に対して、有難いことに遠巻きに温かい眼差しを向けて、必要な時にしっかりと手を差し伸べてくださった方々がいる。多くの方にお力添えをいただいたが、忘れられない方々がいる。自分の人生でこの方たちとの出会いや助力なくして今はありえない。その中でも今日は特に二人の方について触れたいと思う。不思議なものでお二人とも「ことのはずみ」で出会った人生の先輩であり、思いがけない出会いの賜物だった。

まずはこのブログでも何度か登場しているM先生。私にとって人生のメンターでもあり、何とも特別な存在である。研究畑出身の先生は国際協力の仕事を、文字通り世界を股にかけて国際現場で進めて来られた方。ご自身の経験と情熱に裏打ちされた物事を見抜く観察眼と言葉は、時にずしんと響く。また今となっては必然でもあったようにさえ思える先生との出会いは2007年にさかのぼる。シンポジウムでお話ししたことがきっかけで、以来、何かある時や忘れた頃にふとやってくる先生とのお話やコミュニケーションの再開。いつもその度に、驚くほど私の考えや悩みを理解してくださり、適切なタイミングで叱咤激励いただいた。今回のマニラ行きも予期せぬ急な話だったが、たいへん喜び祝福して送りだしてくださった。
(→ 関連ブログ記事)
Connecting the dots
偶然とはいえ
スイッチON
M先生の提言

そしてEさん。3月に入りいただいたメールに、「2000年初頭からこの分野に入って経験を積んでいったことが実りましたね。」とあり、胸が熱くなった。Eさんは学生時代の春休みの米国旅行中に知り会った日本人女性。旅の途中でお世話になったホームステイ先のお父さんが先生をしていたメディカルスクールの学生として紹介された方がEさんだった。その後は米国で専門的な仕事を展開されている。人生の先輩としていつも前を走っている心強い存在である。と同時に、普通の日本人からすればひと味もふた味も異なるものの観方や考え方を提示されるので、彼女の言葉にどれだけ開眼し教えられ励まされたことか。2000年以来、私のつたない歩みを節目ごとにみてこられたEさんにはいつも親身のアドバイスや応援をいただき、冒頭のメール文につながっている。

お二人にとって、私は面倒を見るべき弟子でも世話を焼く後輩でもない。たまたまご縁があってある日会ってしまっただけなのに、気にかけていただき手を差し伸べていただいた。プロとして尊敬するのみならず人間的にもあたたかいお二人には、見守りながらも絶妙なタイミングで応援と奮起を促していただいた。何とも不器用で成長の遅い私としては感謝してもしきれない。この先どこかで何らかの形で恩返しができればと切に願っている。

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プロフィール

Sainah

Author:Sainah
仕事&興味:途上国と開発援助 [セクター] 農業・自然環境・生態系
少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき

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