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テーブルを特注してみた(2)


2か月後は随分と先に思えたのか頼んだことで満足してしまったのか、コーヒーテーブルのことはしばらく正直、忘れていた。出張でマニラにいないこともあり、また仕事に追われていたこともあったと思う。ある週末、「そういえば!」とハタと思い出した。注文票を取りだしてみると、何と予定日から優に2週間が過ぎていた。

そこでお店に電話すると、「マーム、工場からもう少し時間がかかると連絡を受けたところです」としれっという。出たフィリピンタイム!と思いながらお店に出向いた。埒が明かない時は直接、話すに限る。幸いそのお店は家から近かった。
「もう少しってあとどのくらいかかる?」
「工場に聞いてみます」(これからかい)
「もう2週間過ぎているのだからわかったらすぐにテキストして」
家具に限ったことではないが、フィリピンではお店とのやり取りは携帯番号でのテキストが通常だ。というかこれしかない。メールや電話で問い合わせてもなしのつぶてでも同じことをテキストするとすぐさま返事が返ってくることも。

数日後、
「工場から連絡がありました。遅れます。テーブルにつけた車輪のサイズが大きくて作り直しているそうです」
この特注のテーブルのウリは車輪(ロック付きの)にほかならない。動くテーブルをソファに出し入れしたり、ソファの脇に置いたりできることが魅力なのだ。ただ、家のソファの下は高さがなかった。床との間に10センチ強しかない。そこで10センチ以内に収まる車輪にするよう注文時にしつこく(念ため3回)強調して頼んでいたのだ。

また1週間ほどしてお店から連絡がきて、曰く
「小さいサイズの車輪に替えましたが、まだ10センチ以内に収まりません」
どうやらこの先も時間がかかりそうだ、と思った。もうこれ以上小さいサイズの車輪はないものと判断し、車輪のサイズについては追及するのはやめた。問題は、特注料金を払って、2か月の予定プラス数週間待たされた挙句に、ソファの下に入らないテーブルが届くとなると、それはもう話が違う。ソファの下に出し入れして使うテーブルがほしい、から始まった。だから特注した。さすがにそれは店側もわかっていて、提案がありますと言ってきた。

それは、調整ネジを入れてかさ上げするというもの。
「フィリピンでは家具の高さの調整はよくやることで、ソファの足にadjustable glidersネジでつけるか、滑り板を接着剤でつけるかのオプションがあります」
となぜが得意げ。今回は滑り板ではせいぜい5ミリほどの高さしか望めないので、ネジの一択となる。
いやいや、家具は私のものではない(家具付きの部屋に住んでいるので大家さんのもの)ので、私の一存ではいかない。気が進まないながら大屋に聞いてみると、「家具に傷がつくなど何かあったときにSainahさんが支払うのならいいです」と当たり前の条件つき返信が戻ってきた。

しかもそのネジたるやこんなもの。これをソファの足にねじ込めば、いかにもねじ込んだ周辺がひび割れしそうではないか。
neji_.jpg

ソファの足(しかも4か所)にネジをさしてソファを支えるという発想がそもそも馴染めない。不自然ですらある。何より、最初はよくても使っているうちにソファが傾くかもしれず、ネジもソファの重みに耐えられないかもしれない。そもそも、注文時に車輪のサイズがあるかどうか確認して「あります」ということだった。お店側が工場への確認を怠ったことも、腑に落ちない。あらゆる点で、ネジのアイディアがとてもうまくいくようには思えなかった。
あれこれ考えている私のネジ案不採択の表情を読み取ってか、
「お客様の注文はソファの下に入るテーブル、ということでしたので、ネジの考えがお気に召さなかったら、テーブル購入をキャンセルされても結構です」
とお店が言いだした。この考えもちょっと信じられなかった。あれだけ最初に色やらサイズやら検討して、時間もかけて工場から届いたものを、いとも簡単にキャンセルを言いだすとは。私が買わずともお店に置けば売れると踏んだのかもしれないが。
color_sample_.jpg
(色を決める時に検討したサンプル)

「うーむ。なかなかテーブルが手に入らないものだ3月のステイケイションで目にしたテーブルを手に入れるのに、6月になってもこの有様。道のりは長し」と思っていると、お店の人がさらに驚く一言。曰く、
「とりあえずこのテーブルをお宅まで運びましょう。家で使って、気に入らなかったら返品も結構です。その時はまた取りに伺いますから」

フィリピンは人件費が安いからか、ちょっとした買い物(6リットルの水2本など)でも配達してくれる。このお店は家から歩いて5分と近かったがさすがにテーブルは一人で運ぶにはちょっとということで、若い男の子が台車に積んで一緒に歩いて運んでくれた。ただ、問題は、まだ半額しか払っていないということなのだが。それを配達しちゃうって。。

家において、横目でみながら、かといって触るに触れず落ち着かない日々が続いた。箱から出されたテーブルには、ご丁寧にネジの束まで添えられていた。かくして、カバーもはがさず無造作に置かれたままの日が始まった。

delivered_table_.jpg

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Sainah

Author:Sainah
途上国と開発援助、農業・生態系、少数民族、伝統文化、科学・技術、時間管理、組織マネジメント、外国語(☜ 日本語とあわせて日々奮闘中)、海より山、温泉、古いもの好き、ABBA、中島みゆき、海外ドラマ

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